ワールドトリガーの魅力をキャラクターから深掘り|「ヒューマンアニメ」としての側面
ワールドトリガーとは人間を拉致して連れ去っていく異界人(ネイバー)と人間との戦いを描いたアクションアニメです。
人間とネイバー、人間と人間、ネイバーとネイバーの戦いが論理的でかつ現実的に行われます。
力が無い方が負ける、油断した方が負ける、チームワークが悪い方が負ける。
勝ち負けの理由に説得力があるのです。
更にワールドトリガーは異界人(ネイバー)との戦いと同じくらいに、ネイバーと人間の交流や葛藤を描いたヒューマンアニメでもあります。
主人公だけで4人、更に主要な人物の数を合わせれば物凄い数の人達の生活と苦悩がリアルに感じられるのです。
ワールドトリガーの主人公は三雲修(みくも おさむ)と迅悠一(じん ゆういち)と雨取千佳(あまとり ちか)と空閑遊真(くが ゆうま)の4人。
この4人の主人公それぞれの人間模様も非常に面白く、4人それぞれが個性的であり魅力的です。
物語は雨取千佳(あまとり ちか)のお兄さんがネイバーに連れ去られたことにより大きな始まりをみせます。
目次
【メガネをかけたヒーロー】
「メガネくん」と呼ばれる事が多い主人公の三雲修(みくも おさむ)。
第一印象はいかにも真面目で運動が苦手そうな感じです。
イメージ的には主人公というよりも引き立て役に見えるメガネくん。
メガネをかけたヒーローこと三雲修の真の姿はどうなのでしょうか。
実は三雲修の真の姿も第一印象同様に真面目でおとなしいのです。
更に戦闘時においては、ややもすれば味方の足を引っ張るほどの弱さ。
そんな修のヒーローとしての魅力はどういった所なのでしょうか。
修の長所はいつも前だけを向き、どんな困難な状況でも決して諦めないメンタルの強さです。
ヒーローとして見てみると余りにも泥臭く、決してかっこよくはないのですがそのひたむきさに心を打たれてしまいます。
周りの人々もそんな修に次第に惹かれていくのです。
修と迅さんこと迅悠一(じん ゆういち)との最初の出会いも、いかにも修らしいそして迅さんらしいエピソードでした。
【三雲修と迅悠一の出会い】
三雲修が住む三門市には異界人(ネイバー)が度々現れ人を連れ去ります。
実は今この瞬間も、異世界においての惑星間戦争が激化しており、戦士としてやエネルギーとして地球人が連れ去られていくのです。
地球人もそれを手をこまねいて見ているだけではありません。
ネイバーが現れる時空の扉は三門市にあるので、三門市にネイバーと戦う精鋭の集まり『ボーダー』という組織を置くことにしました。
三雲修はこの『ボーダー』に所属しようと入団試験を受けることにします。
ですが落ちてしまった修は直談判するために『ボーダー』本部に向かうのです。
そしてその道中でネイバーに襲われてしまいます。
その時に危機を助けたのが『ボーダー』所属のエリート迅悠一であり、この出会いが三雲修と迅悠一の初めての出会いでした。
試験に落ちた後にいきなり実戦の機会があり、ヒーローならここで思いがけない活躍をして合格になる流れですが修の場合はただ助けられて終わりなのです。
その後に『ボーダー』に加入してもずっと見習いに近い地位のC級隊員。
人一倍の努力をしてもなかなか実力は上がりません。
『ボーダー』でトップクラスのS級隊員であり、自らエリートと名乗り、それでいて気さくで思いやりが溢れる迅悠一とは対称的です。
ちなみに迅悠一の戦闘スタイルは運動能力や豊富なトリオンエネルギーを使った攻撃だけでなく、軽い予知能力を加味して戦う天才肌な戦い方といえます。
相性が良い名刀スコルピオを使って、複数のA級隊員を同時に倒した経験もあるほどの実力者です。
【三雲修と雨取千佳の関係】
三雲修と雨取千佳の出会いは、迅さんとの出会いを更に遡る事数年前。
修と千佳は元々幼馴染でした。
雨取千佳はネイバーによる地球人の拉致事件が大きな社会問題になる前からネイバーに狙われていたのです。
なぜなら雨取千佳は異世界における戦争やエネルギー問題のカギになるトリオンエネルギーの出力能力が信じられないほどに大きいからでした。
ずっと前から異星人に狙われていた雨取千佳。
秀でたトリオン能力と同時に、ネイバーの気配を感じることができる能力を持ち合わせているが故に今も逃げ延びる事ができているのです。
ですが雨取千佳は仲の良い同級生の女の子だけでなく、兄までも行方不明になったことで、自分のせいで連れ去られたと自分を責めるようになっていきます。
同級生と兄を連れ去られたのが自分のせいだとの考え方故に、他人から責められるのを極端に怖がり、いつも良い人でいなければという強迫観念に近い状態になってしまったのです。
それが実戦においての行動に影を落とすことになってしまいます。
ちなみに雨取千佳の戦闘スタイルはその高レベルなエネルギー出力を使った砲撃で、周りからは銃での攻撃にも関わらず「バズーカ砲」と呼ばれるぐらいの威力です。
残念なことに周りからの悪評価を気にするあまり人が撃てない状態に陥り、戦闘においては度々チームメイトの三雲修と空閑遊真の足を引っ張ってしまうことになります。
【修とボーダー】
修は戦闘能力が低いにも関わらず、『ボーダー』にギリギリの成績で合格します。
なぜおとなしいうえに、運動より勉強の方が得意そうな修がネイバーと戦う『ボーダー』に加入したのでしょう。
それは修の家庭教師を千佳の兄の麟児(りんじ)がやっていたからなのです。
麟児(りんじ)は仲間たちとネイバーとの遭遇を試みます。
ですがその日以来麟児は行方不明になってしまいました。
その麟児から修への最後のメッセージが「妹の千佳を頼む」だったのです。
修が『ボーダー』に加入した1番の動機は千佳をネイバーから守るためでした。
【ネイバーとの戦い】
ネイバーは戦闘員として地球人を拉致する時以外は地球人を始末すると言われています。
その為にネイバーに対するみんなの気持ちは恐怖と憎悪でいっぱいです。
ネイバーにより大事な兄を失った千佳。
ワールドトリガーは千佳が兄をネイバーから取り戻すお話なのです。
そしてワールドトリガーの醍醐味は特殊とは言え既存に沿ったタイプの武器でリアルに戦う事といえます。
その為に『ボーダー』ではチームで移動しチームで戦うのです。
個性ある多数の人物が走るさまや隠れるさまも含めて非常にリアルな展開になっています。
様々な悩みが重なり思うように努力できなかったり、人間関係のトラブルがありチーム事情が良くない、そういった事まで含んでの世界観。
これこそがワールドトリガーの魅力であると言えます。
戦闘もトリオンエネルギーを出力する銃とトリオンエネルギーで形づくられた剣と盾。
それらの武器を使い論理的に戦っていきます。
論理的にお話が進んでいくが故に、思いもしなかったアクシデントや三雲修の勝負にかける執念が強く印象づけられるのです。
【迅さんとネイバー】
エリートS級隊員の迅さんにもネイバーにまつわる過去があります。
迅さんのお母さんはネイバーに殺されているのです。
ですが迅さんはネイバーを憎んではいません。
ネイバーにもいろいろなタイプがいる事を知っていますし、戦闘時ですら感情に流される事はないのです。
そういう意味では修よりもクレバーで現実的でメンタルも強いと言えます。
そして内面の強さと同じくらいの優しさも持ち合わせているのです。
その優しさは正しい行いをしているネイバーにも向けられています。
数少ないのですが『ボーダー』内で地球を守るために戦うネイバーが存在できるのも、迅悠一と迅悠一の上司の林藤匠(りんどう たくみ)のおかげと言えるのです。
そうはいっても『ボーダー』内では全てのネイバーに敵対心を持つ隊員がいっぱいいます。
ネイバーに対する考え方で『ボーダー』内に派閥ができてしまっている事は『ボーダー』における今後の課題と言えるでしょう。
【ワールドトリガーにおいて圧倒的な人気を誇る空閑遊真】
アニメワールドトリガーの記念すべき第一話。
オープニングテーマ曲が流れる前にネイバーに襲われた修が誰かに助けられます。
まさしくこのシーンこそが修が迅さんに助けられた初対面のエピソードなのです。
そして助けた後の迅さんが修を気遣う台詞が非常に印象に残ります。
「よっ無事かメガネくん」
この記憶は修の脳裏に鮮明に焼き付いているのです。
その後すぐにオープニングテーマ曲が流れます。
このテーマ曲に最初に描かれている4人。
この4人がワールドトリガーの主人公の三雲修と迅悠一と雨取千佳と空閑遊真(くが ゆうま)です。
オープニングテーマ曲が終わった後は、ネイバーと『ボーダー』の簡単な説明がなされます。
そして本編に入り登校するメガネをかけた学生が描かれています。
この学生こそが三雲修です。
その後に真っ白な髪でシルエットぎみに登場するのが空閑遊真であり、物語は修の学校に転校してきた空閑遊真の生活を追う形で進行していきます。
転校初日に身長が141cmと小さいのと、それでいて生意気なためにいじめグループに目をつけられてしまう遊真。
初日の授業で仲良くなった修と遊真は、下校時にいじめグループから待ち伏せされてしまいます。
遊真を人目が少ない所に連れて行こうとするいじめグループ。
「お前は関係無いから帰れ」と言われても遊真が心配な修はいじめグループに逆らってついていくのです。
まったく人目がつかない場所に連れていかれる修と遊真。
大人数で遊真1人を暴行しようとするいじめグループに対して修ははっきりと「そういう卑怯なやり方をこの僕は許さない」と主張します。
ですが腕力に自信が無い修は殴られて倒れこんでしまいます。
その修に対して弱いのになんでついてきたの?と言い放つ遊真。
そんな遊真に対していじめグループのリーダーはお前の方がむかつくんだと苛立ちを隠せません。
そして角材を持つと遊真目掛けて振り下ろします。
ですが遊真はその角材を手で受け止め、更にいじめグループのリーダーの足を思いっきり踏みつけます。
倒れこむリーダーはグループ全員に遊真を叩き潰すように指示。
その指示と同時に危険を知らせるサイレンが鳴り響くのです。
サイレンから数秒後に現れるネイバー。
ネイバーは先に逃げたいじめグループの方に襲い掛かります。
逃げ遅れたいじめグループのリーダーは捕獲される寸前です。
遊真は修に対し今のうちに逃げようと提案します。
ですが修はいじめグループのリーダーを助けると主張するのです。
なんでお前が助けに行くの?という誰しもが思う疑問に修は「そうするべきだと思っているからだ」と答えます。
そして既にこの時には『ボーダー』のC級隊員だった修は、戦闘モードに変身するとネイバーを倒すために攻撃を仕掛けるのです。
ちなみに修の戦闘スタイルは運動能力も劣っているうえにトリオンエネルギーの出力も弱く、長所である頭の良さと諦めないメンタルの強さで緻密な作戦や相手の裏をかいた状況判断で勝ちにいくタイプと言えます。
チーム内では雨取千佳よりも足を引っ張りますが、千佳同様持ち前の努力で徐々にチームに貢献していけるようになっていくのです。
ですが今回は急遽戦闘する事になったので、準備を何もしていない修はピンチに陥ってしまいます。
そのピンチを救ったのはネイバーを倒すための訓練を積んだ『ボーダー』隊員ではありませんでした。
なんと今日転校してきた身長141cmの遊真が戦闘モードに変身後に僅かな時間でネイバーを倒してしまうのです。
あっけにとられる修に対して遊真は気遣って声をかけます。
「よっ平気かメガネくん」
修の脳裏に焼き付いている迅さんから助けてもらった記憶と、今の遊真に助けてもらった記憶がシンクロします。
ちなみに遊真の戦闘スタイルは豊富なトリオンエネルギー量と機敏な運動神経を用いたアクロバティックでキレのある攻撃です。
遊真には豊富な戦闘経験があるからこそ相手が思いもよらない攻撃ができるのですが、その凄さは遊真自身の戦闘能力だけで可能にしているわけではありません。
遊真の亡くなった父の形見の武器は、他人の特殊武器の能力をコピーできるという優れた特徴を持っているのです。
また遊真には相手の嘘を見抜ける能力も併せ持っています。
遊真に助けられた修はトリオンエネルギーを使用する武器を見て遊真を『ボーダー』隊員だと思います。
なぜなら地球上でトリオンエネルギーを使用する武器を持っているのは『ボーダー』隊員だけなのです。
ですが遊真は『ボーダー』隊員である事を否定します。
修はトリオンエネルギーを使用する武器を持っているのは地球では『ボーダー』隊員だけという説明をしますが、それに対する遊真の答えは衝撃的なものでした。
遊真は自分が地球人じゃ無い事を告白します。
空閑遊真はネイバーだったのです。
まとめ【ワールドトリガーとは】
三雲修と迅悠一と雨取千佳と空閑遊真を中心にした、人類とネイバーの戦いと交流を描いたリアリティのあるアクションアニメーションと言えるでしょう。
リアリティを重視しているだけあって、普段の生活面だけでなく『ボーダー』隊員と市民の微妙な関係性や『ボーダー』隊員内の人間関係まで丁寧に描かれています。
お話の軸になるのは連れ去られた千佳の兄を取り戻す事。
千佳はとにかく異世界に行ってみて、兄を助けるための手がかりだけでも見つけたい思いなのです。
そんな千佳を助けるのは幼馴染である三雲修。
その真面目な性格と勝負を決して諦めない強いメンタル、負けた時の潔さと敵の心理の裏をかく作戦の数々。
腕っぷしは弱いものの非常に頼りになる存在です。
そして千佳を助けてくれるもう1人の心強い存在がネイバーである空閑遊真。
修と千佳と遊真はチームを組んで異世界に遠征として行くことができる成績を目指して『ボーダー』内チーム戦に挑みます。
市民の間でもネイバーに対する敵対心や憎悪の気持ちが強いのですが、それは『ボーダー』隊員の間でもそう変わりません。
敵対心や憎悪の対象となるネイバーの空閑遊真と『ボーダー』隊員の軋轢。
そんな遊真を庇う修と千佳と迅さん。
ワールドトリガーは非常に泥臭い人間関係のお話でもあるのです。
はたして千佳と修と遊真と迅さんは、ネイバーから千佳の兄麟児を取り戻す事ができるのでしょうか。
ワールドトリガーの基本情報・主な配信サイト
作品名 | ワールドトリガー |
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ジャンル | SFアクション |
放送形態 | TVアニメ |
放映時期 | 1stシーズン:2014年10月~2016年4月 2ndシーズン:2021年1月~4月 3rdシーズン:2021年10月~2022年1月 |
アニメーション制作会社 | 東映アニメーション |
キャスト |
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主なスタッフ |
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原作 | コミック/葦原大介(集英社) |
©葦原大介/集英社・テレビ朝日・東映アニメーション
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配信サイト名 | 配信状況 | 配信リンク・特典 |
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