アニメーション制作会社紹介Part.7|トップレベルの映像表現!『MAPPA』【会社概要・代表作品】

本記事では設立10年ほどの若いアニメ制作会社であるMAPPAについて解説していきます。

最近では「鬼滅の刃」を制作したufotableなど、アニメを作った制作会社にも注目が集まることも多いです。

制作会社に興味がある人にはMAPPAの名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

設立から歴史が浅い制作会社でありながらもアニメファンの間では、特徴のある多くの名作を世に出していると評価されています。

本記事ではそんなMAPPAの制作するアニメの特徴や、これまで制作した作品の高評価作品から低評価作品まで、MAPPAの現在と今後の展望について解説していきますのでぜひ最後までご覧になってください!

MAPPAってどんな制作会社?

会社の方針として、作品制作に対して「面白ければ何でもいい。でも気に入らなければやらない」「面倒くさいことを言う人の、面倒くさい希望をあえて叶える」という理念を持っている制作会社です。

このスタンスが現れているのか、ビジネス面や技術面などの様々な理由でアニメ化が難しそうな、ともすれば他の制作会社が手を出しにくそうな作品を人々の期待を超える形で映像化することで有名になってきました。

会社設立のきっかけでもある「この世界の片隅に」は、当初はヒットの要素が見当たらない、マーケティング的に映像化が難しいと言われていた企画でした。

また原作完結から20年以上を経ながらもファンの中でバイブル化されている漫画「BANANA FISH」を舞台を現代にコンバートしながら見事に映像化し、好評を獲得しました。

3DCGなどの新しい技術も積極的に取り入れ、若い会社らしく様々なことにチャレンジしている印象の強い制作会社です。

MAPPAの概要

会社名 株式会社MAPPA
設立 2011年6月14日
代表取締役 清水 暁(代表取締役 執行役員社長)
所在地 〒167-0032
東京都杉並区天沼2丁目3番9号朝日生命杉並ビル9階
事業内容 テレビアニメ、映画、CM、Webムービー等、アニメーション映像の全てのジャンルにおける企画・制作。
従業員数 360名(2023年4月時点)

MAPPA 公式サイト

MAPPAのアニメの特徴

MAPPAのアニメの特徴としては、動きの激しいアクションをCGを駆使することで疾走感のある映像として描くことに特徴がある会社です。

新鋭のアニメ制作会社ではありますが、「アクションといえばMAPPA」と評価する人も多くいるほど、MAPPAの大きな特徴として挙げられるのがアクションです。

「進撃の巨人 The Final Season」では巨人との戦闘シーンで、作中で使われている「立体起動装置」を用いた躍動感溢れるアクションを表現していました。

また、「呪術廻戦」で現れている特徴として、キャラクターの表情、特に瞳の表現に力を入れており緻密に描かれた表情や動きの躍動感など、MAPPAの制作する作品は映像表現のレベルの高さが特徴となっています。

MAPPAの代表作品一覧

MAPPAの代表作
  • 坂道のアポロン
  • うしおととら
  • 賭ケグルイ
  • どろろ
  • 呪術廻戦
  • 進撃の巨人 The Final Season
  • ゾンビランドサガ
  • 地獄楽
  • BANANA FISH
  • かつて神だった獣たちへ

MAPPAの歴史

MAPPAは2011年にアニメ制作会社・マッドハウスを退社したアニメプロデューサーの丸山正雄が設立した、若い会社です。

元々は劇場アニメ映画である片淵須直監督の「この世界の片隅に」という作品を作るために設立した会社でした。

当初集まった人材も片淵監督や丸山プロデューサーと仕事がしたいと思った人達の集まりでした。

「この世界の片隅に」は資金集めに苦労し、公開できるかもわからない状態から作り手の熱意もあり、最終的に日本国内では最長となる1133日連続ロングラン上映となり興行収入27億円を突破するヒット作となりました。

2016年に丸山さんは会長に就任し、新たに設立したスタジオに拠点を移し、それに伴い丸山さんは経営からは撤退して2代目社長として大塚学さんが引継ぎました。

以降は大塚社長の経営方針によって様々なクリエイターに外注を行う多作傾向の体制にシフトしていきました。

ブラックな労働環境がよく取り沙汰されるアニメ業界において、MAPPAは労働環境の改善と映像表現の追及の両立を目指しています。

現在は契約スタッフがメインですが、大塚社長は将来的な目標として京都アニメーションやufotableのような「社員による全セクションの内製体制や正社員雇用」を目標にしています。

スタジオとしては出資比率に応じて利益分配される製作委員会に加わることが多いですが、2022年に放送された「チェンソーマン」は100%自社出資の制作で行いビジネス面での新たなチャレンジも行っています。

MAPPAの傑作ベスト3

呪術廻戦

驚異的な身体能力を持つ少年・虎杖悠仁はごく普通の高校生活を送っていましたがある日「呪い」に襲われた仲間を救うため、特級呪物と呼ばれる「両面宿儺の指」を喰らい自身に呪いを宿してしまいます。

呪いである両面宿儺と肉体を共有することとなった虎杖は、最強の呪術師である五条悟の案内で呪い対策の専門機関である東京都立呪術高専専門学校へと編入することとなり、呪いを祓うための呪術師となるための経験をしていきます。

近年でMAPPAの名前が広く知られるきっかけとなった作品です。

劇場版である呪術廻戦0、2023年に放送されている呪術廻戦 懐玉・玉折などシリーズとして人気を博しています。

BANANA FISH

舞台はニューヨーク、並外れて整った容姿と卓越した戦闘力を持つ少年・アッシュ。ストリートギャングを束ねる彼は、手下に殺された男が死ぬ間際に「バナナフィッシュ」という謎の言葉を発するのを聞きます。

同じタイミングで、カメラマンの助手として取材にやってきた日本人の少年・奥村英二と出会い、2人はともに「バナナフィッシュ」の謎を追い求めていきます。

昔の作品ではありますが、コアなファンが多く舞台化もされるなどMAPPAを代表する作品の1つです。

ドロヘドロ

魔法によって顔をトカゲにされてしまった記憶喪失の男、カイマン。

本当の顔と記憶を取り戻すため、相棒のニカイドウと一緒に自分に魔法をかけた魔法使いを探し続けます。

いったい自分は何者なのか……。

カイマンが自身の謎について迫っていく物語です。

原作人気は高かったものの、時にグロテスクで混沌とした世界観ゆえに、ずっと「映像化が不可能」と言われていた作品でしたが、MAPPAの手によってアニメ化をし、国外でまでアニメの賞レースにノミネートされるほどの高評価を受けた作品です。

MAPPAの低評価作品ベスト3

アイドル事変

MAGES.によるメディアミックスプロジェクトであり、47都道府県を代表するアイドル議員による選挙バトル作品です。

舞台は現代の日本によく似た、パラレルワールド的な「ニッポン」で、アイドル議員と呼ばれる国会議員が存在する世界観で、アイドル議員達が環境汚染、ごみ問題、待機児童、汚職事件など山積みの問題に取り組んでいく作品です。

当初はソーシャルゲームとして発表されていましたが、アニメを放送してもイマイチ話題に上がらず、アニメ放送終了後に無期限の延期が発表されるなど、当初は大きな企画であったにも関わらず伸び悩んでしまった作品です。

DAYS

何のとりえもない、特技もない、けれど人知れず、熱い心を秘めた少年・柄本つくし。

彼が孤独なサッカーの天才・風間陣と出会い、西東京の名門、聖蹟高校サッカー部に入部して運命が大きく動きだします。

超高校級プレイヤーの主将・水樹寿人、トップ下に君臨するクールな司令塔・君下敦、
唯我独尊系大型フォワード・大柴喜一……。

クセ者の集う厳しくも優しい部活の中で、つくしはかけがえのない絆を結び始めます。

ひたすらに熱く、どこまでも純粋な、聖蹟高校サッカー部の汗と奇跡と友情の物語です。

全くの初心者、しかも身体は弱くスポーツ経験もない主人公が全国レベルのサッカー部に入部するという少し現実観のない設定と日常パートのギャグが合わないと感じる人もいたことで、原作からの期待よりも評価を得られなかった結果となってしまいました。

チェンソーマン

親が遺した借金返済のため、ド底辺の日々を送る中チェンソーの悪魔であるポチタと共にデビルハンターとして暮らす少年・デンジ。

彼は借金の取り立てをされていたヤクザの裏切りによって悪魔に殺されてしまいます。

薄れる意識の中、デンジはポチタと契約し、悪魔の心臓を持つもの「チェンソーマン」として蘇ります。

ヤクザと手を組んでいた悪魔を撃退した後、公安の悪魔対策部門の一員であるマキマに拾われ、公安所属のデビルハンターとしてデンジの物語が動き始めます。

週刊少年ジャンプで大人気の漫画が原作で、MAPPAが単独出資した社運を懸けた作品とまで言われた作品でしたが、監督のクセが強い表現などが原作ファンから評価が得られず、賛否両論ある評価となってしまいました。

MAPPAの現在

アニメ業界全体の問題ともいえますが、MAPPAも例外ではなく、アニメーターの労働環境の劣悪さが問題視されており、退職者が多いことで技術が守れないという課題を抱えています。

MAPPAは2代目の経営から多作傾向にシフトしており国内外含めて外注で原画の発注をしていました。

通常では、原画の発注を受けるには一定期間のノルマが必要とされる所属アニメーターに対して、フリーアニメーターは経験年数に関係なく原画を受注することが出来てしまいます。

このため、発注先からMAPPAに送られてくる原画は多くの修正が必要となってしまっていました。

さらに多作傾向で年間で最大8作品のテレビアニメーションを受注していたこともあり、MAPPA所属のアニメーターは原画を描くのでなく外注の原画のリテイクに追われて長時間労働になってしまっていました。

とはいえ、MAPPAの会社の方針としては内製化・社員の正社員化を目指しています。

現状はまだまだ問題を抱えており、ブラックな労働環境が取り沙汰されてしまっていますが、MAPPAは2023年も「進撃の巨人 The Final Season」や「地獄楽」、「呪術廻戦 懐玉・玉折」など6作の製作を行っておりその勢いは止まりません。

まだまだ歴史も浅く発展途上の製作会社ですので試行錯誤を繰り返している状態ですが、作品の質だけでなく業界全体の大きな問題であるアニメーターの労働環境の改善にも取り組んでいる今後も楽しみな制作会社です!

まとめ

本記事ではアニメ制作会社MAPPAについてまとめてきました。

老舗と言われる制作会社も数多くある中設立からまだ浅いMAPPAですが、すでにアニメファンの中では名作と言われる作品を数多く残しており、今後も人気原作の作品のアニメ化を手掛けることが決まっています。

アニメ業界全体の根深い問題である労働環境の改善にも一早く声を上げている会社ですので、アニメ制作だけでなく、業界の大きな問題にも取り組んでいる素晴らしい会社ですので、今後もMAPPAの活躍に期待をしていきましょう!

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この記事を書いた人
FS19

田舎住み登山・キャンプが趣味のアクティブオタク。 ジャンルを問わずアニメ・漫画を楽しむ。 ここ最近アニメだけでなく声優にも手を広げ着々と沼にはまっている。

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