アニメーション制作会社紹介Part.8|覇権アニメを輩出してきた!『シャフト』【会社概要・代表作品】

本記事では、アニメ制作会社であるシャフトについて解説していきます。

シャフトは歴史あるアニメ制作会社で、ここ最近は新興のアニメ制作会社であるufotableやCloverWorksといった新勢力の台頭に苦しんでいますが、2010年台は「化物語」など覇権アニメをバンバン輩出する最強の制作会社と言われていました。

そんなシャフトの過去の名作や独特なアニメの特徴、高評価作品から低評価作品をそれぞれ3選、シャフトの現状、今後の期待される作品まで紹介していきます!

シャフトってどんな制作会社?

シャフトは設立から50年以上の歴史あるアニメ制作会社です。

元々はアニメ制作における最終工程を担当する仕上げスタジオとして活動していましたが、次第に本格的にアニメ制作全般に関わるようになります。

基本的にはマンガや小説など原作付きの作品のアニメ化を担うことが多いですが、「魔法少女まどか☆マギカ」などオリジナルアニメを作り上げることもあります。

アニメ制作会社には、きらら作品の映像化が得意な制作会社やジャンプ作品のタイアップが多い制作会社など、制作を担当する原作に特徴を持つことがあります。

シャフトは電撃文庫や講談社Boxなどのライトノベル作品と言われる原作を手掛けることが多いという特徴もあります。

シャフトの概要

会社名 株式会社シャフト
設立 1975年9月1日
代表取締役 久保田光俊
所在地 〒167-0023
東京都杉並区上井草1-29-15
事業内容 TV・劇場・CM・ゲーム等、アニメーションの企画及び制作著作物の管理・販売等

シャフト 公式サイト

シャフトのアニメの特徴

アニメ制作会社は、制作会社それぞれに突出した特徴や強みを持っています。

シャフトの大きな特徴は2つ、人物の構図&奥行きの少ない独特な世界観です。

シャフトの主な特徴
  • 人物の構図
  • 奥行きを用いた独特な世界観

人物の構図

物語シリーズの制作を担当しているシャフトを代表するアニメ監督である、新房監督の大きな特徴が、キャラクターが独特の角度で首を傾げる演出です。

その特徴的なポーズは、ファンからは「シャフ度」と呼ばれています。

キャラクターが棒立ちになるのが嫌で普通に立っている画から外したい、男性が「ジョジョの奇妙な冒険」のようなアクション漫画にある様なポーズをしながら振り向くとあの角度になり、女性は意外と真っ直ぐに物を観ていなくて、頭が傾いていたり相手に目線を合わせていないことが多いので、それをリアルに表現したいとの思いがあったと新房監督は語っています。



© 西尾維新/シャフト

奥行きを用いた独特な世界観

特に物語シリーズで顕著な特徴として、奥行きよりも平面構成を基本としたレイアウトや極端にコントラストをつけた奇抜な色遣い、文字カットの多様などを用いることで独特な世界観を表現しています。

また、背景描写で人物を描かず描かれても棒人間のようなカットだったり、まるでその世界に他の人物がいないような描かれ方がされています。

こうした独特な世界観の演出を行うことで、摩訶不思議なストーリーにグッと引き込ませる作品を数多く手掛けています。



© 西尾維新/シャフト

シャフトの代表作品一覧

シャフト代表作
  • ネギま!?
  • さよなら絶望先生
  • 荒川アンダー ザ ブリッジ
  • 電波女と青春男
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • ささみさん@がんばらない
  • 幸腹グラフィティ
  • 美少年探偵団
  • 五等分の花嫁∽
  • それでも町は廻っている

シャフトの歴史

虫プロダクション出身の若尾博司さんが創業した、1975年に設立されたアニメ制作会社です。

元々は仕上スタジオとして活動しており、虫プロダクションの流れを汲む日本サンライズ制作作品の仕上を請け負っていました。

1980年頃からグロス請け(テレビアニメシリーズで制作とクレジットされるアニメ制作会社が元請けとなり、下請けの制作会社に1話分まること制作を任せること、その話数に関しては全責任を負って制作管理を行い元請けの制作会社に納品する形態)を開始し、本格的にアニメーション制作全般を行う制作会社に転換しました。

2004年放送の「月詠 -MOON PHASE-」の制作でのグロス請けで参加した際の仕事ぶりを監督の新房昭之さんが評価し、その後、新房監督のテレビシリーズが多く制作されるようになります。

「物語シリーズ」や「魔法少女まどか☆マギカ」などシャフトの看板となる作品を数多く作り上げました。

シャフトの傑作ベスト3

化物語

これまでにも紹介してきましたが、西尾維新原作の大ヒット作品、物語シリーズの第1作目です。

主人公の高校3年生の阿良々木暦は、「怪異」と呼ばれる不可思議な出来事にひょんなことから関わることになります。

「怪異」というのは常にそこにいるし、そこにいないー。
吸血鬼、蟹、蝸牛、猿、蛇、猫といった様々な怪異とそれを取り巻く人物たちの物語です。

ニセコイ

極道一家の1人息子に生まれるも、心優しく育った普通の高校生・一条楽。

彼は、10年前に仲良くなった女の子と再会したら結婚するという約束をした「約束の女の子」に思いを馳せる、その時に貰ったペンダントを肌身離さずに持っていました。

そんなある日、楽のクラスに転校生の美少女・桐崎千棘がやってきます。

最初の出会いから相性最悪で、事ある毎にケンカを繰り返す楽と千棘だが、実は千棘は楽の家である極道と一触即発な状態のマフィアの娘でした。

全面戦争を止めるためには息子娘である2人が恋人関係をアピールすること。

楽が恋心を抱く、クラスメイトの小野寺小咲の事を気にしつつも、恋人のフリを続ける楽と千棘はこの「偽恋物語」を無事にやり遂げられるのか、そして「約束の女の子」は?

ジャンプ発の王道ラブコメ物語です。

3月のライオン

東京の下町に1人で暮らす主人子の17歳の将棋のプロ棋士・桐山零は、壮絶な過去から深い孤独を抱えていました。

そんな彼が、ひょんなことからあかり・ひなた・モモの川本3姉妹と過ごす時間や、さまざまな棋士との対戦、彼を取り巻く環境が変化していく学校生活などを経て、失ったものを少しずつ取り戻していく様が描かれる深い物語です。

テレビアニメシリーズも第2期まで放送されており、シャフトを代表する作品の1つとして評価されています。

シャフトの低評価作品ベスト3

この醜くも美しい世界

幼い時に親から捨てられ、西野家に下宿する主人公である竹本タケルは、高校に通いながら西野家のバイク便を手伝い暮らしていました。

ある日の配達の帰り、タケルはバイクに便乗していた親友の二ノ宮リョウと不可思議な光を目撃します。

光を追って林に入ると、1本の樹に宿った光の中から女の子が姿を現しました。

その女の子は、タケルが考える理想の女の子に瓜2つでした。

タケルは常識から考えられない現象に戸惑いながらも、人間としての記憶を持たないらしいその少女をヒカリと名付けます。

しかしその直後、巨大な怪物が現れて彼らに襲いかかります。

リョウはバイクで反撃を試みますが、怪物を倒すには至らずヒカリとタケルが窮地に追い込まれたそのとき、タケルの身体に尋常ではない変化が現れました。

これらの異変から彼らの世界は大きく変化していきます。

ネギま!?

10歳でイギリス・ウェールズのメルディアナ魔法学校を首席で卒業した主人公のネギ・スプリングフィールドが、「立派な魔法使い(マギステル・マギ)」になるための修行として与えられた課題は、日本の学校で先生をすることでした。

麻帆良学園本校女子中等部にやってきたネギは、教育実習生としていきなり2-Aの担任を任されることになります。

生徒たちの中にも魔法の存在を知ることになる生徒や実は前から知っていたという生徒が現れ、ネギは彼女たちに支えられながら、英雄的な魔法使いだった父の足跡を追って成長していく物語です。

原作者の赤松健さんは現在参議院議員としても活躍しており、海賊版のマンガサイトなどに警鐘を鳴らし、また表現の自由を守る会の最高顧問でもあります。

ささみさん@がんばらない

引きこもりのささみさん(月読 鎖々美-つくよみささみ)と奴隷体質のお兄ちゃん(月読 神臣-つくよみかみおみ)の2人を中心とした八百万の神々による怪奇現象が巻き起こる世界が舞台です。

ささみさんは神霊である最高神のちからをその身に封じた「月読の巫女」でしたがインターネットを通して世界を知ったことで負担から耐えられず兄を連れて逃げ出しがんばらない日々を送ります。

そして、個性あふれる「邪神三姉妹」との関わりが描かれる、日常系として描かれる非日常の物語です。

シャフトの現在

シャフトは現在、他のアニメ制作会社がしのぎを削って年間4~5本のアニメを制作しているのに対し、近年は制作数は多くありません。

アニメ制作はかなりの労力と時間を要するのでそう多く作れないのが当然なのですが、大手と呼ばれる制作会社は、外注などを駆使してやりくりしています。

それに対してシャフトは制作数が落ち込んでいるように見えますが、コンスタントに有名作も手掛けており、2023年は映画も大ヒットした五等分の花嫁のアニメの制作を行っています。

制作数が少ない理由はもう1つ、シャフトは来年2024年に物語シリーズの続編である「傷物語-こよみヴァンプ」、「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉」の映画の制作を手掛けていることも理由に挙げられます。

映画は2時間近い物語をまとめるのでテレビシリーズの制作とは違った難しさがありますし、大型のスクリーンを活かすアクロバティックな映像などの制作は時間がかかるため、現在はこの2作に特に注力していると思われます。

もう1度シャフトの隆盛を左右すると思われる来年の劇場版、ぜひシリーズを視聴した人は公開を心待ちにしてください!

まとめ

本記事ではアニメ制作会社シャフトについてまとめてきました。

シャフトの制作するアニメはかなり特徴的で、1度シャフトという制作会社を認識すると「あ、このアニメシャフトが制作しているんだな」とすぐにわかるほどです。

芸術的な表現も多く、制作するアニメも設定が複雑な作品が多いことからも人によって合う合わないがハッキリとした制作会社ではあります。

少し古いアニメにはなりますが、不朽の名作と言われる作品も数多く輩出していますので、今回紹介させていただいた高評価作品は特に1度視聴してみてほしいと思います。

低評価に取り上げた作品もクセが強い作品ではありますが、興味が湧いた作品があれば先入観を捨てて楽しんで1度シャフトの世界観に入り込んでみてください!

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この記事を書いた人
FS19

田舎住み登山・キャンプが趣味のアクティブオタク。 ジャンルを問わずアニメ・漫画を楽しむ。 ここ最近アニメだけでなく声優にも手を広げ着々と沼にはまっている。

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