【ガンダム】水星の魔女の「メスガキ」から見るチュアチュリー・パンランチの魅力とは【第1期編】
多くの元ガンダム少年(おじさん)を再び目覚めさせた、最新ガンダムアニメ『水星の魔女』。
かつてのガンダム少年(おじさん)たちを目覚めさせただけではなく、元来のガンダムおじさんたちの反発が予想されたなかでも、あえて現代のサブカル要素を入れ込むことでアニメオタクやライト層の新規取り込みにも成功した作品になっています。
百合や学園、そしてメスガキなど、これまでのガンダムアニメではあまり見られなかった要素が散りばめられた、異色の作品といえるでしょう。
この記事では、そのなかの「メスガキ」要素にフォーカスしつつ、登場人物の1人であるチュアチュリー・パンランチ(チュチュ先輩)の魅力を余すところなく伝えたいと思います。
メスガキとは?
メスガキとは、女性への蔑称「メス」と子供への蔑称「ガキ」を組み合わせたとんでもない言葉です。
メスガキという概念が登場したのは恐らく男性向け18禁作品が最初かと思います。(あまりにも恐ろしそうな世界なので詳しく調べてはいません。)
簡単に説明すると、未成年の少女が年上の男性に高圧的・生意気な言動や挑発を繰り返すという「キャラクター属性」を指します。特に「ばーか」や「ざーこ」といったセリフが付随することが多いようですね。
元々は18禁的なシチュエーションに限定された要素だったのではないかと推測されますが、現在では「小生意気な10代中盤の少女キャラクター」に対して、割と気軽に用いられることが多くなっているようです。
またメスガキ属性を持ったキャラクターに対して、身体的または精神的な仕返しをして屈服させることを「わからせ」といいます。メスガキ系キャラクターはわからせるまでがセットとなっており、小生意気な少女がしっぺ返し的に痛い目に遭うという一連の流れにより読者や視聴者が満足感を得ることで完結・成立します。
果たしてこんなに真面目に論じるべきことなのかは大いに疑問ですが、大体こんな感じです。
ちなみに、あくまでフィクション上の要素なので、決して現実に持ち込んではいけませんよ。
水星の魔女に登場するメスガキ系キャラ
チュアチュリー・パンランチの魅力を伝えるのに、なぜメスガキにフォーカスしなくてはならないのか疑問に思う方も多いでしょう。しかし水星の魔女のメスガキキャラたちを知ることで、チュアチュリー・パンランチの魅力をより深く知ることができるのです。
そこで、まずは水星の魔女に登場するメスガキ系キャラクターを紹介します。
正統派メスガキ、フェルシー・ロロ
ジェターク寮に所属する、パイロット科2年。
後先考えない猪突猛進タイプ。パイロットとしてのグエルを尊敬している。(「水星の魔女」公式サイトより引用)
1人目は、グエルの手下の一人であるフェルシー・ロロちゃん。外ハネのボサボサ髪が特徴で、やんちゃな少年のような見た目。八重歯につり目と、典型的なメスガキ属性を有しています。
スレッタとミオリネがまだグエルと対立していた序盤、仲良しのペトラとともにグエルの金魚のフンとしてスレッタ達を煽ることに勤しんでいました。上から目線でスレッタやミオリネに煽りや挑発、裏工作を繰り返すというわかりやすいメスガキムーブで、序盤の小物系敵役として活躍(?)します。
グエル先輩がスレッタに敗北してからは、ペトラとともに「グエル先輩!大変っす!」という伝説の名シーンを残し、ほとんど出番が無くなりました。
グエル先輩の敗北後は煽りムーブが無くなったこと、ミオリネの凄みにビビっていたこと、敬愛しているはずのグエル先輩が「横恋慕さん」と呼ばれた時に思わず吹き出す(しかも口を両手でおさえる)など、憎み切れないかわいさが随所に見られるため、水星の魔女のメスガキのなかでは比較的大人しめな印象。特に後に紹介するレネ・コスタ、ソフィ・ブロネ登場後は、メスガキとしての存在感もかなり薄くなってしまいました。
とはいえ、隠し切れない小物臭、ちんちくりんなスタイル、割とビビりである点は、ある意味では正しく「メスガキをしている」といえるキャラなのかもしれません。これで学園を追放されたグエル先輩を見限り、キャンプ地まで行って「バーカざーこ」と煽ったら本物でしたが、彼のことを本気で心配しており意外にも忠誠心が高そうなのが惜しいところ(?)ですね。
メスガキ度:★★★☆☆
お色気系メスガキ、セセリア・ドート
ブリオン寮に所属する、経営戦略科2年。決闘委員会に所属。とにかく口の悪い皮肉屋。嫌味を言うことにかけて彼女の右に出る者はいない。
(「水星の魔女」公式サイトより引用)
褐色で銀髪、やたらムチムチした太ももが特徴。メスガキの例に漏れず、わかりやすくつり目なのもポイント。はだけた胸元といい太ももといい、大人の色気を醸し出した珍しいタイプのメスガキ系キャラクターです。
御三家の1人グエルに対しても容赦ない煽りや皮肉を浴びせるイヤミな性格。人を煽り倒すことに楽しさを見出しており、立場ある人間にも平気で突っかかる様は正にメスガキといえるでしょう。
同じ決闘委員会所属の男子生徒ロウジといつも一緒におり、その距離感の近さから「デキているんじゃないか?」とよからぬ妄想のネタにされることもしばしば。ロウジが大人しい少年のようなキャラクターのため、どこかおねショタ属性も見え隠れします。
水星の魔女には20代の女性がほとんど登場しないため、後述のレネ・コスタとともに貴重なお色気担当キャラとして男性視聴者諸君に重宝(?)されているようです。
メスガキ度:★★☆☆☆
小悪魔系メスガキ、レネ・コスタ
グラスレー寮に所属する、パイロット科2年。
シャディクを支える女子生徒の一人。快活に見えるが、男子と女子で態度を変える腹黒系。(「水星の魔女」公式サイトより引用)
「シャディクガールズ」のお色気担当。髪や目の色、ボサボサ髪が似ていることから、フェルシーの上位互換と称されることも。そしてしっかりとツリ目である点からキャラ造形の徹底ぶりが垣間見られます。
公式の紹介のように、異性にはぶりっ子、同性には攻撃性むき出しというわかりやすい二面性を持った性格。攻撃的な言動が多いのでメスガキといえなくもないものの、基本的にはその対象が同性であること、その言動も煽り・挑発系ではないことからもメスガキの定義からは若干外れている印象です。(どう考えても小悪魔系)
セセリア同様、ビジュアルも含めてお色気方面の描写が多いため、「男性諸君が喜ぶ10代女性キャラクター」という枠組みにはハマっているといえます。
フェルシーがパイロット科であるにも関わらずモビルスーツ搭乗シーン、戦闘シーンが無かった一方、レネはベギルペンデに乗り込み地球寮の面々と決闘をしました。最終的にはほかのメンバーとともにエアリアルに蹂躙されるものの、口だけではない戦闘力の高さを見せつけたという意味では作中でファンが多いのも頷けます。
メスガキ度:★★☆☆☆
完全無欠のメスガキ、ソフィ・プロネ
反スペーシアン組織「フォルドの夜明け」に派遣された、ガンダム・ルブリス・ウルのパイロット。
自分の本能に素直で、欲求を満たすためならば暴力をいとわない。
自分たちと出自の違う「魔女」、スレッタとエアリアルに関心を抱く。(「水星の魔女」公式サイトより引用)
昭和のアイドル臭がする髪型が特徴。八重歯とつり目もしっかりと装備した、水星の魔女最強のメスガキ。
最強であるというのは、ガンダムに搭乗しているからではありません。メスガキの定義のすべてを満たしているという点において最強なのです。
まずはその異常な攻撃性。自分自身を最も優れたパイロットと信じて疑わず、ルブリスウルに搭乗して躊躇なく人殺しを繰り返す性格は、もはやメスガキという枠すら超えた異常性があります。とにかく自分が良ければいい、自分がどう思うかがすべてという、自身の欲求と本能に100%従って行動する完全無欠のメスガキキャラです。
また、メスガキ要素の特性として「年上に対する挑発行動」がありますが、ソフィは主人公スレッタのことを「お姉ちゃん」と呼んでいます。作中の年齢の話ではなく、あくまでパイロットの先輩として見ているための「お姉ちゃん」発言ですが、ソフィ→スレッタの図式で今後何らかのメスガキムーブが発生する可能性は高いでしょう。
そしてその先には「わからせ」が待っている可能性も十分考えられます。ソフィvsスレッタは学園内ではなく戦争の構図になるため、どのようなひどいわからせが来るのか、メスガキファンの方は今からワクワクドキドキしていることでしょう。
メスガキ度:★★★★★
メスガキとは一線を画す魅力溢れる少女「チュアチュリー・パンランチ」
さて、本題はここからです。ここまで必死こいて水星の魔女のメスガキを紹介してきましたが、この記事では決してメスガキキャラを見てキャッキャしたいわけではありません。
すべてはチュアチュリー・パンランチちゃんの魅力を伝えるための前置きだったのです。
チュアチュリー・パンランチとは何者か
地球寮に所属する、パイロット科1年。愛称はチュチュ。
アーシアンを差別するスペーシアンを嫌っており、よく喧嘩騒ぎを起こしている。
旧世代型のデミトレーナーをレストアしたチュチュ専用機に搭乗。(「水星の魔女」公式サイトより引用)
公式のキャラクター紹介は上記の通り。年の頃は15~16歳と想定され、かわいらしいパステル調のピンク色と独特の形状の髪型が特徴。出身地による差別意識が非常に強いという、典型的な10代中盤キャラの思考を持っています。
誰に対しても感情をストレートにぶつける性格で、言葉遣いの粗さや手の早さも含めて一見トラブルメーカータイプに見えます。しかしその実は仲間思いで面倒見がよく、地球寮のなかでも戦闘能力は高いほうだと思われることから、頼りがいのあるヤンキーキャラという位置づけといえるでしょう。公式イラストでも釘バットを持たされているので、ヤンキーで間違いありません。
◆◆チュチュ設定集解禁◆◆
本アカウントをご覧の皆さまに、
パイロットスーツを着たチュチュの設定集を公開!チュチュの登場した #水星の魔女 第4話は、
各種配信サービスにて配信中です!▼放送・配信情報https://t.co/bxEEPSO7py
#G_Witch pic.twitter.com/LVIqt1iWqR
— 機動戦士ガンダム 水星の魔女 (@G_Witch_M) October 27, 2022
チュアチュリー・パンランチはメスガキなの?
結論からいうと、チュアチュリー・パンランチちゃんはメスガキではありません。
前述の通り、彼女は男勝りなヤンキーキャラ。メスガキキャラのように相手を下に見て煽ったり挑発したりするのではなく、真っ向から拳でぶつかり合っていくタイプの娘です。小細工でスレッタを陥れた上級生女子コンビの一人を見事ワンパンKOさせたシーンは記憶に新しいでしょう。
また、チュアチュリー・パンランチちゃんがメスガキと決定的に異なるのは、本人も言っていたように「誰かの思いを背負っている」という点。チュアチュリー・パンランチちゃんはそもそも、地球(故郷)の仲間たちの期待を背負ってアスティカシア高等専門学園に入学しています。彼女の行動原理は自己中心的な欲求や本能ではなく、故郷や地球寮の仲間たちの思いなのです。
ソフィ・プロネのように、メスガキはあくまで「自分がよければいい」という根性が根底にあるため、その言動が薄っぺらいことが大半です。だからこそそこに不快感があり、「わからせ」に屈する様子をある種の邪な感情で楽しむいけない大人たちの餌食になってしまうのでしょう。
一方でチュアチュリー・パンランチちゃんは、決して何ものにも屈することはないでしょう。揺るぎない強さと信念を彼女のなかから感じ取れるからです。
メスガキの場合 | チュチュの場合 | |
---|---|---|
見た目・身体的特徴 | ほぼ全員つり目。 八重歯も多い。 |
つり目気味だが八重歯は無し。 |
性格 | 攻撃的な性格。 人を挑発したり煽ったり貶したりするのが好き。 |
攻撃的ではあるが、挑発や煽りよりもストレートな感情表現が多い。 |
行動原理 | 自分が気持ちよくなれるかどうか。 | 故郷の仲間の思いを背負っている。 |
【かわいい】チュアチュリー・パンランチの魅力!【あ~し】
さて、チュアチュリー・パンランチちゃんがメスガキではないことをおわかり頂いたところで、シンプルに彼女の魅力を説明します。ここからは筆者の萌え萌えポイントの垂れ流しとなるので予めご了承ください。
名前がかわいい
まず「チュアチュリー・パンランチ」って名前がかわいいです。略称の「チュチュ」も、その性格に合ってないギャップから無性にかわいさを感じますが、「チュアチュリー・パンランチ」っていう語感がたまりません。
声に出して読みたい日本語のトップ10には入るんじゃないかと個人的には確信しています。皆さんもぜひ口にしてみてください。きっとハマりますよ。「チュアチュリー・パンランチ」。
髪型がかわいい
チュアチュリー・パンランチちゃんの髪型といえば、シニヨンだかアフロだかわかりませんが2つのボンボンが非常に特徴的です。ヘルメットへの収納方法も話題になりました。
それももちろんかわいいんですが、実はパッツン気味な前髪が萌えポイントとしては高得点だと思っています。ヤンキーなのにパッツンwっていうのが最高にイカしてます。
あと、シニヨンの根本から髪が2本飛び出ているのがこれまたかわいいんです。彼女の魅力を引き立てるこの秀逸なデザイン、たまりません。
一人称がアホかわいい
チュアチュリー・パンランチちゃんの一人称は「あ~し」です。最初はアホかな?と思いましたが、回が進むにつれてキャラに合っていてかわいく思えるようになりました。
「あたし」のヤンキー訛り(またはギャル訛り)かと思いますが、あんまり聞いたことないですね。舌足らずと言うべきなのか、「アーシ」アンの誇りなのかわかりませんが、わけのわからん髪型のちっちゃいヤンキー女子に「あ~し」なんて言われた日には萌えキュンすぎて憤死することでしょう。
ヤンキー座りがかわいい
チュアチュリー・パンランチちゃんがメスガキではなくヤンキーであることの証左がこのシーンです。
めちゃめちゃヤンキー座りしてるかわいい!
メスガキがヤンキー座りなどするだろうか?いやしない。
ちなみにこのシーンが放映されて以降、海外ではスラヴ系のギャングと認定されているようです。
もはやメスガキどころかギャングです。強い。
地球寮の貴重な戦力なのがかわいい
チュアチュリー・パンランチちゃんは、ああ見えて地球寮の数少ないパイロットの1人です。しかもスナイパータイプです。生身では拳一つで上級生をぶん殴る割に、モビルスーツに乗ると遠距離から敵を撃つタイプになるんですね。
シャディク一派との戦闘時は最後にいいところを持っていきました。しかし戦闘序盤にほぼほぼ戦闘不能状態にさせられていたので、接近戦の戦闘力はそこまで高くないのかもしれません。とはいえ、あまりまともなパイロットがいない地球寮のなかでは貴重な戦力といえるでしょう。
株式会社ガンダムが事業を進めていくうえで、重要な人材であることに間違いありません。ただキーキー言ってるだけのヤンキーなのではなく、頼れる実力もしっかり持っているところも魅力的ですね。
喜び方がかわいい
いつも誰か・何かに文句を言っている印象のチュアチュリー・パンランチちゃんですが、嬉しいときには喜びを爆発させます。
飛び上がって全身で喜びを表現する様は、感情をストレートに出すチュアチュリー・パンランチちゃんらしさ全開ですね。
はつらつ少女らしい年相応の喜び方がかわいくてキュン死必至。
男気溢れる性格がギャップ萌えでかわいい
典型的なヤンキーキャラであるチュアチュリー・パンランチちゃんですが、実は男気に溢れています。
スペーシアンであるスレッタを毛嫌いしていましたが、小細工にハメられて泣いている様子を目の当たりにし、彼女を助けるという男気を見せます。
粗暴なヤンキーが時折見せる男気や仲間思いな一面が、まさに典型的なギャップ萌えとして作用するのです。
彼女は恐らく故郷で男性に囲まれた生活を送っていたと思われますが、男気に溢れているのはそのせいかもしれませんね。
まとめ
以上、チュアチュリー・パンランチちゃんの魅力解説でした。
水星の魔女にはメスガキ系キャラが多数登場するため、チュアチュリー・パンランチちゃんもその枠に入れられがちです。しかしメスガキキャラと比較すればするほど、彼女がメスガキとは程遠い人物であるとわかります。
インパクトという意味ではソフィ・プロネに負けているものの、見た目・キャラクター性ともに物語のスパイスとして2期でもかわいくキーキー鳴いてくれることでしょう。
ちなみに、2期の予告動画でフェルシー、レネ、セセリアのコラボシーンが映ったことから界隈がザワついているようです。特にフェルシーとレネは見た目が似ていることから、2人で並んでいる様子を望んでいたメスガキファンの方も多く、2期のスタートが待たれるところでしょう。
(物理的に噛みつかれそう…)
水星の魔女の基本情報・主な配信サイト
作品名 | 機動戦士ガンダム 水星の魔女 |
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ジャンル | SF(ガンダム) |
放送形態 | TVアニメ |
放映時期 | 1期:2022年10月~2023年1月 2期:2023年4月~ |
アニメーション制作会社 | バンダイナムコフィルムワークス/創通/MBS |
キャスト |
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スタッフ |
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原作 | 矢立肇/富野由悠季 |